保育園で知っておきたい子どものけいれん|起きたとき、最初にすること

保育園で子どものけいれんが起きたら、先生たちはどうしますか?
突然、子どもの手足がガクガク動き始める。
呼びかけても反応がない。
そんな場面に遭遇すると、誰でも慌ててしまいます。
でも、けいれんが起きたときこそ、「まず何をするか」を知っていることが大切です。
💬 講習でよく聞かれる質問
「けいれんが起きたら、まず子どもを押さえたほうがいいですか?」
これは救命講習でもよく聞かれる質問です。
答えは、無理に押さえつけないこと。
けいれんそのものを止めようとして体を押さえたり、口の中に物を入れたりするのではなく、
まずは安全を確保し、けいれんが始まった時間を確認することが大切です。
📋 この記事で分かること
- 子どもがけいれんしたとき、最初にすること
- やってはいけない対応
- 119番を考えるポイント
- けいれんが止まった後に確認すること
- 保育園で事前に決めておきたいこと
まずは「安全」をつくる
けいれんが起きたら、まず周囲の危険を確認しましょう。
転倒したり、周囲の物にぶつかったりしないように、子どもの周りの危険な物を取り除きます。
そして、けいれんが始まった時間を確認します。
「何時から始まったか」を記録しておくことは、その後の救急対応や医療機関への情報提供にも役立ちます。
💡 最初に確認したい3つ
- 安全な場所か?
- けいれんはいつ始まったか?
- 呼吸や顔色に変化はないか?
慌てて何かをしようとする前に、この3つを意識してみましょう。
やってはいけないこと
けいれんを起こしている子どもに対して、口の中に指や物を入れたり、無理に体を押さえつけたりすることは避けましょう。
⚠️ 「何かしなきゃ」より「安全に見守る」
けいれんを止めようとして、子どもの体を強く押さえる必要はありません。
また、口の中にスプーンや指などを入れることも危険です。
まずは周囲の安全を確保し、状態を観察すること。
🚑 119番を考えるポイント
けいれんを見たときに大切なのは、
「何分続いているか」だけではありません。
呼吸の状態、顔色、意識の状態などを一緒に確認しましょう。
- 呼吸が苦しそう、または呼吸が弱い
- 唇や顔色が紫色・青白い
- 意識が戻らない、反応が悪い
- けいれんが5分以上続いている
- けいれんが繰り返している
- 頭を強くぶつけた後にけいれんが起きた
- 初めてのけいれんで、対応に迷う
このような場合は、緊急性が高い可能性があります。
迷ったときは119番通報につなげましょう。
⏱️ 「時間を測る」が大切な理由
けいれんが始まったら、時計やタイマーなどで時間を確認しましょう。
「たぶん1~2分だったと思います」ではなく、
「○時○分に始まり、○時○分に止まった」
と記録できれば、救急隊や医療機関へ伝える大切な情報になります。
可能であれば、けいれんの様子や意識の状態、体温なども確認しておきましょう。
💬 もう一つ、講習でよく聞かれる質問
「けいれんが止まったら、もう大丈夫ですか?」
いいえ。
けいれんが止まった後も、
呼吸しているか、顔色はどうか、意識が戻っているか
を確認しましょう。
けいれんが止まったからといって、すぐに普段通りとは限りません。
その後の状態も観察することが大切です。
🛌 けいれんが止まった後は?
呼吸があり、意識が戻ってきている場合でも、子どもの状態をよく観察します。
嘔吐がある場合などは、窒息を防ぐためにも安全な姿勢をとれるようにします。
そして、
けいれんが続いた時間・発作中の様子・体温・けいれん後に意識が戻るまでの時間
などを記録しておきましょう。
これらは、その後の医療機関での判断にも役立つ情報になります。
⚠️ これはしないでください
- けいれんを止めようとして強く押さえつける
- 口の中に指やスプーンなどを入れる
- 意識が戻っていない状態で無理に飲み物を飲ませる
- けいれん中に無理に移動させる
「何かしてあげなきゃ」と思う気持ちは自然です。
でも、まず必要なのは安全確保と観察です。
🏫 保育園で「起きる前」に決めておきたいこと
けいれんは、いつ、どこで起こるか分かりません。
だからこそ、発作が起きてから相談するのではなく、
起きる前に園全体で対応を決めておくことが大切です。
- けいれんが起きたときの対応方法を職員全員で共有する
- 119番通報をする人を決めておく
- 保護者への連絡方法を確認しておく
- 医師から指示を受けている子どもの対応方法を確認する
- 発作の時間や様子を記録する方法を決めておく
- 定期的に職員で対応を確認する
特に大切なのは、
「担任の先生なら分かる」ではなく、「誰がその場にいても動ける」
状態にしておくことです。
👨🏫 現場からひとこと
救命講習をしていると、
「実際に起きたら、絶対に慌てると思います」
という声をよく聞きます。
それでいいと思います。
子どものけいれんを目の前にして、冷静でいられる人ばかりではありません。
だからこそ大切なのは、
「慌てないこと」ではなく、「慌てても動ける準備をしておくこと」です。
時間を測る。
安全を確保する。
呼吸や顔色を見る。
必要なら119番をする。
やることが分かっていれば、いざというときの一歩を踏み出しやすくなります。
🌱 今日の救命ワンポイント
けいれんを見たら、「止める」より「安全に観察する」。
けいれんを無理に押さえつけたり、口の中に物を入れたりするのではなく、
まず安全を確保して、発作が始まった時間を確認しましょう。
そして、
呼吸・顔色・意識・けいれんの持続時間
を確認します。
顔色が悪い、呼吸がおかしい、意識が戻らないなど緊急性が高い場合や、
けいれんが5分以上続く場合などは、救急車を要請することを考えます。
📚 まとめ
子どものけいれんは、突然起こることがあります。
そのときに大切なのは、
「何とかして止めなければ」と焦ることではありません。
- まず安全を確保する
- けいれんが始まった時間を確認する
- 呼吸・顔色・意識を確認する
- 口の中に物を入れない
- 無理に押さえつけない
- 緊急性が高ければ119番通報する
「知っている」だけではなく、「その場で動ける」。
それが、子どもの命を守るための準備になります。
📖 次におすすめの記事
保育園で知っておきたい子どもの熱中症|初期症状と最初にやるべき対応
暑い季節に特に注意したい、子どもの熱中症。
「少し様子を見る」のではなく、早く異変に気付くためのポイントをまとめています。
📢 蘇生ラボからのお知らせ
蘇生ラボでは、保育園・こども園・幼稚園・学校などを対象に、
救命講習や安全に関する研修を行っています。
大切にしているのは、
「知識を覚えること」だけではなく、「実際に動けること」。
もしものときに、子どもたちを守れる大人を増やすために。
園の状況に合わせた講習・研修をご提案しています。
大人も子どもも救える社会に。

