保育園で知っておきたい子どもの窒息|食べ物が詰まったとき、最初にすること

保育園で子どもたちと過ごしているとき、突然「苦しそうにしている」「声が出ない」という場面が起きたら、どうしますか?
子どもの窒息は、ほんの一瞬で起こることがあります。
特に乳幼児は、食べ物をうまく噛んだり飲み込んだりする力がまだ十分ではありません。
だからこそ、保育に関わる大人が「窒息が起きたとき、最初に何をするか」を知っておくことが大切です。
💬 講習でよく聞かれる質問
「子どもが食べ物を詰まらせたら、口の中に指を入れて取ればいいですか?」
これは救命講習でも本当によく聞かれる質問です。
見えていないものを、指で無理に探して取ろうとするのは避けましょう。
かえって異物を奥へ押し込んでしまう可能性があります。
まずは「声が出せるか」「咳ができるか」「呼吸ができているか」を確認します。
📋 この記事で分かること
- 子どもが窒息したときに最初に確認すること
- 窒息を疑うサイン
- 1歳未満と1歳以上で異なる対応
- 119番通報を考えるタイミング
- 保育園で事前に準備しておきたいこと
子どもの窒息、まず何を見る?
食べ物などが気道に詰まると、呼吸ができなくなり、命に関わる状態になることがあります。
まず確認したいのは、「声が出せるか」「咳ができるか」「呼吸ができているか」です。
💡 窒息を疑うサイン
- 突然、声が出なくなる
- 咳ができない、または弱い
- 息が苦しそう
- 喉や胸元を手で押さえる
- 顔色や唇の色が悪くなる
- 意識がなくなる
特に「咳も声も出せない」場合は、重い気道閉塞を疑います。
🚨 「咳ができるか」が大切
しっかり咳ができている場合は、まず咳を続けるよう促しながら様子を見ます。
一方で、咳ができない・声が出ない・呼吸ができない場合は、緊急性の高い状態です。
この場合は、周囲に助けを求め、119番通報と異物除去の対応を開始します。
年齢によって対応が違います
ここが、保育園で特に覚えておきたいポイントです。
窒息時の異物除去は、1歳未満の乳児と、1歳以上の子どもで方法が異なります。
次のパートで、それぞれの方法を分かりやすく説明します。
🚑 声が出ない・咳ができないなら
子どもが食べ物などを詰まらせて、
声が出ない、咳ができない、呼吸ができない
状態になったら、重い気道閉塞を疑います。
この場合は、周囲に助けを求め、
119番通報を依頼しながら、すぐに異物除去を開始します。
そして、ここが今回の記事でぜひ覚えてほしいポイントです。
🥁 1歳以上の子どもは「背部叩打」から
JRC蘇生ガイドライン2025では、1歳以上の小児の重度の気道閉塞に対して、まず背部叩打を行います。
背部叩打で異物が出なかった場合は、
腹部突き上げ法
を行います。
それでも異物が取れなければ、背部叩打と腹部突き上げを繰り返します。
つまり、
背部叩打 → 腹部突き上げ
という流れを覚えておきましょう。
👶 1歳未満の乳児は対応が違います
乳児では、
腹部突き上げ法は行いません。
1歳未満では、頭部を下げた状態で
背部叩打と胸部突き上げ
を交互に行います。
乳児は身体が小さく、腹部突き上げによって内臓を傷つける可能性があるため、対応を分けて考える必要があります。
📌 年齢別に覚えよう
👶 1歳未満
背部叩打 + 胸部突き上げ
🧒 1歳以上
背部叩打 → 腹部突き上げ
💬 講習で伝えたいポイント
「昔習った方法と違う気がする」
という声を聞くことがあります。
救命の方法は、研究やガイドラインの更新によって見直されることがあります。
だからこそ、
一度覚えたら終わりではなく、定期的に最新の方法を確認すること
が大切です。
保育園の職員研修でも、
「自分が昔習った方法」ではなく、
現在のガイドラインに沿った方法をみんなで確認する
ことをおすすめします。
❌ 口の中に指を入れて探さない
異物が見えていないのに、指を口の中へ入れて探すことはしません。
盲目的に指を入れて異物を探すと、異物をさらに奥へ押し込んでしまう可能性があります。
ただし、異物除去の途中で口の中に異物がはっきり見えた場合は、取り除くことを試みます。
🆘 反応がなくなったら
異物除去を行っている途中で子どもの反応がなくなった場合は、
ただちに胸骨圧迫からCPRを開始します。
まだ119番通報がされていなければ、周囲の人に通報を依頼します。
救急隊が到着するまで、CPRを継続します。
ここまでが、窒息時に知っておきたい基本的な流れです。
「1歳未満」と「1歳以上」で方法が違う。
そして、1歳以上では背部叩打が初手。
この2つは、保育に関わる方にはぜひ覚えておいてほしいポイントです。
🏫 保育園で「起きる前」に準備しておきたいこと
窒息は、いつ起こるか分かりません。
だからこそ、事故が起きてから考えるのではなく、
起きる前に園全体で準備しておくことが大切です。
- 窒息が起きたときの対応を職員全員で確認する
- 119番通報をする人を決めておく
- AEDの場所と持ってくる人を確認する
- 乳児と1歳以上で対応が違うことを共有する
- 救命講習などで実際の手技を練習する
- 食事中の見守りや食材の大きさなど、日頃の予防を確認する
特に大切なのは、
「担任の先生なら分かる」ではなく、「誰がその場にいても動ける」
状態にしておくことです。
👨🏫 現場からひとこと
救命講習で窒息の話をすると、
「実際に起きたら絶対に焦ります」
という声をよく聞きます。
それは当然だと思います。
目の前の子どもが苦しそうにしていたら、誰でも焦ります。
だからこそ大切なのは、
「焦らないこと」ではなく、「焦っていても動けること」。
「声が出ない」
「咳ができない」
「呼吸ができない」
その状況を見たときに、
119番通報を依頼する。そして異物除去を始める。
この一歩を踏み出せるように、日頃から練習しておきましょう。
🌱 今日の救命ワンポイント
子どもの窒息は、「年齢によって対応が違う」ことを覚えておきましょう。
👶 1歳未満
背部叩打 + 胸部突き上げ
🧒 1歳以上
背部叩打 → 腹部突き上げ
そして、途中で反応がなくなったら、
胸骨圧迫からCPRを開始します。
「何歳の子どもなのか」を意識するだけでも、いざというときの対応につながります。
📚 まとめ
子どもの窒息は、一刻を争うことがあります。
だからこそ、普段から対応を知っておくことが大切です。
- 声が出るか、咳ができるか、呼吸ができるかを確認する
- 重い気道閉塞なら119番通報を依頼する
- 1歳未満と1歳以上で対応が違う
- 1歳以上は背部叩打から開始する
- 1歳未満は背部叩打と胸部突き上げを行う
- 口の中に指を入れて盲目的に探さない
- 反応がなくなったら胸骨圧迫からCPRを開始する
「知っている」だけではなく、「その場で動ける」。
それが、子どもの命を守るための準備になります。
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